ネット販売をより現実的に見るためには

Web屋さんをやっているからか、今までも数々ご相談を頂き(ありがとうございます)、
内容が多岐に渡るためなかなかまとめての説明はできなかったのですが
今回、ちょっと興味深いお客様と話せたのでまとめとして残しておきます。

その方は、ネットショップのオーナー様で、ご相談の内容はこのような感じ。(掲載許可を得てだいぶ省略しています)

ご相談の内容

「ヤフーショッピング・Amazonに出店してみたが、売り上げがなかなか上がらない。
なので、Eストアとカラーミーにも出してみたが、アクセスが全然とれない状況です。
楽天には費用が高額なので、まだ出店を見送っている状態ですが、
ネットでの販売はあまり現実的ではないのでしょうか。」

結論から言うと、売れるところは売れているのが現状

結論からいうと、楽天であっても、カラーミーであっても、売れるところは売れているのが現状です。
ネットショップが複数ある場合、商品管理やメンテナンスが行き届く管理体制が必要になってきます。
出店すれば、売上が倍になります!とは、とってもじゃないですが恐れ多くて僕は言えません。
商品を売るためにはそれなりに商材の作り込みや、ニーズ・ターゲットが合っているかなどの作業が必要になります。
それに合わせてセール・キャンペーンなどもチェックしていかなければいけません。

店舗販売をしている店舗さんであれば、ネットに店を構えるわけですから確実に販売経路は広がります。
ですが、ネットといえども接客・メンテナンスは必要になってくるので、
そのあたりが対応できるオーナーさんでないと(もしくは代理店との契約がない)と、まずECサイトの壁に当たってしまう可能性が高いかと。。

ヤフーと楽天の比較であればまだしも、楽天とEストア・カラーミーを比べるとなると全くジャンルが違います。
アメ車とエコカー、1眼レフとコンデジぐらいそれぞれメリットデメリットがあるので、一概に同じフィールドでまとめられないものになります。

簡単にショップ構築の比較をまとめてみました

あくまで大枠でのまとめになりますが、これからショップ出店をする方、検討している方の参考程度にはなるかと思います。

モール型ショッピングサイト・・・楽天、Yahoo!など

既にご存知かとは思いますが、楽天は毎月、システム使用料(顧客管理+在庫管理+サイト管理が一体型になったRMSシステム)と売り上げから数%天引きされての、店舗へ売り上げ入金となります。
モール型というだけあって、リアル店舗のモールと同じで、レジ会計貸出費と出店店舗費として毎月引き落としがかかるようなものです。
さらに楽天は契約すると楽天の担当者がコンサルティングをしてくれ、楽天で開催するキャンペーンや、バナー掲載(無料~有料のものまで)、商材に関しての簡単な売るアイデアなどを助言してくれます。
担当者にもよるかとは思いますが、簡単な競合他社のリサーチもしてくれるかもしれないです。
HTMLがわからない方には講座(有料)も開いており、コールセンターのサポートは(電話がつながりにくいですが)万全かと。
(なんか楽天のステマみたいになってますが、違います;)

レンタルショップサイト

大体は月額の利用料がかかってきます。
楽天やYahoo!などの巨大モールの利用料と比べると、低価格から始められるようなレンタルショップとなり、
「独自ドメインOK」とかだと、ショップを移転(たとえばレンタルショップから自社で構築したショップに移転)した時でもSEO評価が引き継げたり、PPC広告に出せたりするのでそのあたりがメリットかと。

サーバーごと借りる・・・Eストア、カラーミーショップ、MakeShopなど

初期テンプレートでいくつか選択はありますが、
HTMLとCSS(凝っていればJSなんかも)で店舗を構築していく必要があります。
カラーミーショップでは、有料デザインなどを含めると種類がかなり豊富にあります。

カートシステムだけ借りる・・・amazonなど

Amazonは商品の登録をしておくだけですが、
その他のカートシステムは、サイトを自分でつくっておき、カートシステムだけレンタル(もしくは購入)するものになります。

ショップシステム構築

ドメインやサーバー費、その他にも構築費がかかります。
さらにクレジット決済を導入する場合、カード決算代理店との契約が必要不可欠になってきます。
最近はPayPalの進出で、個人の方でも低予算から導入することができるようになってきましたね。

CMSのプラグインを使用する

WordPressやMovableTypeでのショッププラグインを使用します。
MovableTypeは確か有償プラグインしかなかったかと記憶してますが、Wordpressであれば無償プラグインが出ていたかと思います。
ただプラグイン導入したとしても、カスタマイズが必要になったりするので、
ご自身で構築ができれば問題はないですが、業務委託する場合、そのあたりの構築費用もかかります。

0から構築する

主にEC-CubeやZenCartでショップサイトを構築していくことが多いかと思います。
0から構築する分、フルカスタムやオーダーメイドに近い店舗設計が可能ですが、
その分の構築費用は、百万単位になることが多いです。

実際、楽天市場に出店するとなると

楽天は出店料金も他のレンタルショップと比べると割高で、最安値の「がんばれ!プラン」でも1年契約で234,000円かかります。
ただその分メリットも多く、楽天顧客は「楽天で買い物をすることを目的としている」ので比較的売れやすい点、コレにつきるかと思います。
また、独自でショップを構築して広告宣伝していく手法よりも、モール型店舗なので、商材のニーズがあえば日頃のアクセス数はとれると思います。

ちなみにですが、楽天店舗でのPPC広告(GoogleのAdwords広告・Yahoo!広告など)は申請できません。
バナー広告を出すとなると、楽天内のTOPページなどでのバナー掲載費がかかります。)

会員数が約7800万人、契約企業数が132,229店舗(3/4現在)とすると、1970人近く来店となりますが、
会員数のすべてが毎日アクセスしているとは限りません。

comscoreのデータで2009年と古い情報ですが、
comScore 楽天
楽天は5779万ユーザとなっています。4年も前の情報で、それからスマホが普及と、年配ユーザの普及が見られるので実際はもう少し高い数字だと思いますが、
それでも月437人日14人ぐらいの数字が出ます。
(いくらなんでも低すぎかとは思いますが、近年のスマホ事情と団塊世代流入もあるので、現在はもっと高いと思われます。。)

うち、モールの1日の注文数が約40万件なので、モールの契約企業数39,582(3/4現在)で割ったとすると、約10回/1店舗の注文数が出てきます。

というのは、あくまで数字上です。
売り上げている楽天店舗さんの中には、数十~百件単位で注文が入ったり、顧客も流れている状態なので出店したてで一日一件注文が入ることはそうそうありません
実際に楽天出店された店舗様をいくつか知っていますが、売り上げがなかなか上がらずに退店されている方も多くいらっしゃいます。

中でも、低価格競争の為に価格をカットせざるを得なくなってしまい、売上げから出店料の回収が追いつかない店舗さんがいたりするのもまた事実なわけで。
逆にその分、価格を限界値まで下げることで【安さが売り】になって、リピーターや新規顧客が訪れ、利益も潤っている店舗さんもあります。

要は店舗と楽天が合っているかという部分がキモなのかな、とも思ったりしています。
最近はシニア世代のネット通販、約9割が「楽天市場」利用しているという調査結果も出てきていますし、そういった商材を持っている方は楽天は効果的かもしれませんね。