「ネットで買うと安いよ」という言葉は全くその通りで、最安値を探すことも簡単ですし、在庫切れも表示されています。
これから更にネット通販が流通してくると、
実店舗で商品をチェック→ネット通販で最安を探す
といった購買行動が増えてくるのは明らかです。
というのも、現実店舗の「ショールーム」化のリスクは家電以外のあらゆる量販店に及ぶ―Pacedが詳細レポートを発表から。
実店舗のショールーム化とは
簡単に言うと、ネット通販でできない「商品確認」のプロセスのみを実店舗でする行為です。
実店舗で商品を見たり触って現物チェックはするけれど、その後ネットで最安値を探し、使い慣れたサイト/最安値を提供しているサイトで購入。「続きはネットで」の感覚に近いかと思います。
こんな一連の流れを「実店舗がショールーム化する」と言います。
店舗側からしてみれば甚だ迷惑な話なのですが、実際に商品を確認したいというニーズは少なくないかと。
電化製品の購入を検討する際にいきなりネットで購入せず、失敗したくない為にじっくり検討したいですよね。
実際に手にとって商品の操作感や大きさなどをみてから検討したい心理が働きます。
ネットではクチコミやレビューが簡単に見れますが、返品やキャンセルのトラブルが絶えないといいます。まさしくその不安解消に店舗が一役買われている状態です。
よく「最安値に挑戦します」という張り紙をしている電化製品店舗がありますが、価格.comで最安値を提示して価格交渉なんていうことも多々見かけますし、実際周りもそうしている方が多いです(苦笑)。
アメリカの大型店舗TargetではAmazon対策として「購入後(1週間迄)でも他社の方が少しでも安ければ同じ値段にします」という「プライスマッチ」を始めたそうですが、成果の方はまだ弱く売り上げも横並びの様子で
大型店舗であればまだしも、個人店舗で取扱商品が競合する以上、こういった対応は店舗の首を絞めかねないです。
水は高きより低きに流れ
人は高さより安さに流れます。これはもう止められない現象になってくるんじゃないかと。
しかしこれといった対応策はまだないので、今からでも本気で試行錯誤しておくことは無駄ではないかと思います。
「続きはネットで購入される。ではどうやればこのまま購入してもらえるだろう?」
もはや店舗経営者さんは「ショールーム化を前提とした経営戦略を実践していくことが必要」な局面にきていると思っても良いんじゃないでしょうか。
大きな成功事例としては、サトーカメラ。人の手による特別体験の提供、顧客に対する情熱とケアが店舗ならではの付加価値になり、リピーターを生み出し続けているようです。
これから高齢社会になりネットを利用する高齢者も増える時代がきます。価格や品揃えだけで勝負する量販店は、なんらかの手を打っておかないと厳しいかと。